なぜ、女の子を撮っているの?
最近、よく聞かれます。「なぜ女性フォトグラファーが女の子を撮っているの?」って。もはや息をするように当たり前のこととして、女の子を撮影していますが、確かに少し不思議ですよね。その問いかけをしてもらう度に、ふわっと説明していて、伝わりきれてないなあと思っていました。が、さっき、ふと言語化できたので、書いてみます。多分、結構面白いと思います。
きっかけは見た目コンプレックス
わたしが女の子を撮り始めたきっかけは、自分の容姿コンプレックスです。小さな頃、学生時代、社会人になって、つい最近までずーーーーーーっと!自分の見た目に自信を持てませんでした。何か嫌なことが起きると「私はかわいくないからだ」と言って、見た目を理由に納得しようとする。
ま、よく考えれば嫌なことが起きるのに見た目が理由な時ってほとんどないのですが…。でも、たまに本当に失礼な人っていますよね。前の職場がまさにそうで、見た目だけで判断してちやほやしたり悪口を言ったり…。そういうことが積み重なって、過剰な自意識と「かわいい」と思われたい鬱屈した気持ちがくすぶっていたんです。
でも、今は少しずつ解消できています。それは、結婚式の前撮り、そして女の子を実際に撮り始めたことが理由。
結婚がターニングポイント→It’s me!へ
2014年9月、旦那さんと結婚しました。結婚する前、ウェディングドレス姿で前撮りを撮ったんです。その時、自分史上最強にイケている写真がわんさか撮れて!!!笑 プロのフォトグラファーに撮ってもらう自分は、いつもの自分じゃないみたいで、素敵で。「あ、私は私のままでいいんだな」って、ようやく自分を肯定できました。
そう思えたことが本当にうれしかった。この後、年を重ねていくわけだけれど、あの時、笑顔の自分がいたことを写真で証明できることが、うれしかった。。
その経験が、今やっているフォトサービスIt’s me!につながっています。わたしがプロのフォトグラファーに撮ってもらって自分に自信を持てたように、世の中の女性にそういったきっかけをもっと増やしたい。申し込みしてくれる女の子はわたしと同年代の女性。「今の自分を写真に残したい」「自信を持つきっかけにしたい」と言って、撮影にのぞんでくれます。
だって撮ってもらうってすっごく楽しいから。うれしいから。自分を写真に残す機会なんて、正直全然ないから。だからきちんと機会を作って写真を撮ってもらうって、最高の体験。これからも絶対に続けていきたい撮影。
女の子への憧れと羨ましさ
結婚式の前撮りでプロのフォトグラファーに撮ってもらって、ある程度コンプレックスは少し解消されました。でも、コンプレックスって根深い。もちろん、今もわたしの胸の中にくすぶり続けています。そのくすぶりが、作品制作への意欲に結びついています。
わたしは女の子を仕事として撮る反面、作品としても撮り続けています。
わたしはもうすぐ30歳になろうとする今でも、心のどこかで「かわいい」と思われたい欲望があるように思います。かわいい人でいたいという執着がある気がします。自分が理想とする女の子像にはまるで自分がなれないからこそ、自分が理想とする女の子をただひたすら撮っている。
撮ることで、理想とする女の子に近づきたいと思っている気がするし、写真に写る女の子が他人から「かわいい」と言われることで自分も満たされている気がします。
でも、当たり前ですが、いくら撮ったって目の前の女の子にはなれません。「かわいい」と言われているのは被写体の女の子であって、わたしではありません。だから、撮り「続けている」ように思います。そして撮り「続ける」のだろうと思います。報われない片思いのように。
そしてただ撮るだけでは飽き足らず、その女の子の素顔を見たい、という想いがあるような気がします。それは女子は二面性を持つ生き物だって知っているから。女性は皆、二面性を持っていると思います。ふふふ、女ってそういうところ、あるよね!
その二面性を暴きたい、可愛いだけじゃない奥の部分、誰にも見せていないところを暴きたい、そう思いながら最近は撮っています。だから、必然的にちょっと脱いでもらうような写真が多いのかもしれません。無防備な姿、自然体の笑顔を撮っているのも、素顔を見たいと思っているから。
(ちなみにここで書いたことはあくまで「作品」の話です。お仕事として撮影する女の子の撮影もたくさんありますが、それは作品とは別。クライアントが求める、求める以上の写真を撮って貢献するのがお仕事だから、こういうどろどろした想いは関係ありません。笑)
コンプレックスって完全に武器
ここまで書いたことを整理すると、
★わたしは女の子を撮っている
★その理由は「容姿コンプレックス」
★結婚式の前撮りを経験→写真を通じて自分を肯定できる嬉しさを知る→フォトサービスIt’s me!に
★女の子への憧れは消えない→撮ることで解消したい→解消できないから作品として女の子を撮り続ける
という感じです。ふう、ようやく言語化できました。
で、この文章で何を伝えたいのか。それは「わたしはこういう気持ちで女の子を撮っています」という決意表明だけではなくて。「コンプレックスって武器だから最高!」ということ。
小さい頃から醸成された容姿コンプレックスがあって、ちょっとやそっとのことじゃくつがえりません。でも、その醸成容姿コンプレックスがあったからこそ、今好きなことを仕事にしていて、充実した日々を過ごせていると言えます。断言できます。鬱屈した思いがあるからこそ、作品の強度も増すし、良いものを作りたいという思いも強くなる。コンプレックスすごい!バンザイ!
だから、やりたいことが見つからなかったり、モヤモヤしている人が、この記事を読んでいる人の中にいるとすれば「私のコンプレックスって何?」「それを解消するにはどうすれば良い?」って自分に問いかけてみるのがおすすめです。
結局、女の子を撮るのが大好き
ごちゃごちゃ書きましたが、結局わたしは女の子を撮るのが大好き。一生続けられる仕事を見つけられて本当にしあわせ!これからも写真を通じて、目の前の女の子を肯定することはもちろん、見て下さる方も勇気づけたいし、わたしも救われたいと思っています。おーわりっ!