苦しさをひらいていく

苦しさをさらっと伝えることが苦手だ。渦中にいる時、誰かに分かち合うことで、心が軽くなるってわかっているけれど。思考が邪魔をして、結局自分の中でぐるぐる膨らんでいく。

思い出すのは妊娠中のこと。

私は妊娠期間の心身の揺らぎが結構あった。つわりが、とか、お腹が重くて、とか、そういうシンプルな不調もあるけれど、あの8ヶ月間はずっともやに包まれていた感覚だった。

自分の体なのに、何者かに乗っ取られているような…。だけど、周りからは「幸せな人」として見てもらえる。そのギャップを一つひとつ紐解く余裕もなく、幸せなふりをして辛さを隠す自分がいた。

だって、辛い部分を見せると、仕事を依頼されづらくなると思ったから。

その感覚は今も残っていて、たとえば子どもの体調不良はできるだけ隠してきた。もちろん苦労を表に出す必要もない一方で、何もなかったかのように振る舞うのが、だんだん息苦しくなってきた。

だって大変なんだもん(笑)辛そうな姿を見るのも辛いし、うつったら自分も辛いし、夫との仕事の調整なんて毎回、戦。いろんなレイヤーの辛さが重なるから、マジ、ヘビー。

最近、その苦しさを少しずつひらいていってもいいのかもと思っている。ひらいたからって何か大きく変わるわけじゃないけれど…。仕事を頼みづらくなる感じが出るのも怖いのだけれど…。

でも、もし、誰かが困っていたら手をさしのべたいと思うし、自身の苦しさを少しひらける社会になれば、生きやすくなると思う。

子育てだけじゃない。介護、失恋、心身の不調…大なり小なり、誰しも苦しさを抱えて生きている。

その苦しさを打ち明けられるような、分かち合えるような、そんな人でありたいし、そんな場を作れたら、とぼんやりと。