じっくり休んで、研ぎ澄ます

年末、2週間休むことをストーリーズで書いたら、多くの反響(♡)をいただいた。

ここ数年、年に1度、長めの休みを取るようにしている。休みを意識的に取っているのは、その方が結果的にいい仕事ができると実感しているから。

仕事を休んでいる間、自分自身と深く向き合っていく。

これから何がしたい?どんな作品を撮る?どこで展示する?数年後どんな仕事をしていたい?私らしい写真って?など。

考えたいことを事前に書き出しておいて、集中して一つひとつ考えていく(ちなみに今数えたら18個あった)。その期間はメールもSNSも基本的に見ない。

途切れなく仕事をしていると、どうしても視野が狭くなっていく。社会や他人に流されていく。

それが全て悪いわけじゃない。目の前のタスクをどんどん打ち返すのが得意な人もいる。休まずともハイパフォーマンスを発揮できる人もいる。

ただ、私は定期的に休んで、感覚を研ぎ澄ませた方がいい仕事ができるタイプ。

2022年、心おどる仕事ばかり取り組ませてもらった。渋谷パルコで前田敦子の”月月”展を開催できて、カメラメーカーの広告を撮って、他にもたくさん!新しいご縁にも多く恵まれた、というか新しいご縁の方が多かった。

2023年は仕事の数を増やしたいと思ってる。数がすべてじゃないけれど、もっと写真を撮りたい、話を聞きたい、文を書きたい!東京に限らずローカルやワールドワイドな仕事もしていきたい。

私が携わることで喜んでもらえるように。パフォーマンスをより高めていけるように。一呼吸置いて、感覚を研ぎ澄まして、あたらしい1年へ。

12月21日〜1月3日までお休みをいただきます。お休み中もご相談・ご連絡は承っています。メールやCONTACTフォームから気軽にどうぞ。

服は直して、使い継げる

最近、服との関係性が変わってきた。自分に合う形・色・サイズが分かってきて、長く付き合える服を選ぶようになっている。長く着る前提だと、買う時に吟味するし、着るほどに愛着が湧いて、いい。

とはいえ、服は消耗品でもある。こないだ大事に着ていたワンピースを自転車に巻き込んでビリッビリにしてしまった。見るも無残なビリビリ。そして2年ほど着倒していた古着のレースガウンに穴が空いているのも気になっていた。ぎゃー。

自分で直すことはできないけど、捨ててしまうのは悲しい。できれば元の形を活かしてリフォームするか、リメイクしたい、センス良く。センスが合うっていうのがなかなか難しくて、ただ直すだけじゃなくて、いい感じに仕立ててほしい。

そんな無茶ぶりを叶えてくれるお店を京都に見つけて、オンラインでやりとりして、この度直してもらった。それが冒頭の写真。ワンピースはビリビリ部分を縫い付けてもらい元通り。足首まで長さのあったレースガウンは思い切って腰丈で切ってリメイク。なんて、かわいいんでしょう。

服は寒さや暑さを凌ぐだけじゃないと思う。表現の一つだし、積み重ねてきた時の記憶が宿っている。

もちろんモノだから壊れたり、汚れたり、破れてしまうこともあるだろう。

今まではそこで終わりだったのが、その先も一緒に歩めるという選択肢を知れて、とっても心強い。大切な服は長く着たいもん。サステナブルとかそういう話というより、心情の話。

お直しをお願いしたのは→RE;CIRCLE STUDIO 

個性は自然と立ちあらわれる

今年の春、自分の文章に向き合いたい気持ちが沸き上がってきた。

よく「文章はどこで学びましたか?」と聞かれる。「編集者時代、小さな出版社に勤めていたので(ライターさんに頼む余裕がなく)自分でよく書いていたんです。あとベテランの編集者さんに基礎を叩き込まれました」と答える。

これは実は100%正解ではない。編集者時代の経験は土台になっているとはいえ、当時、消防士向け雑誌を作っており、トーンや内容は今書いている文章とだいぶ違う。

フリーランスになり、執筆も求められるようになり、いろんな書体を取り入れながら、自分らしい文章を模索してきた。でもちゃんと向き合う機会が意外と少なく、私の文章の個性って何だろう?と知りたくなった。

そんな時見つけたのが、青山ゆみこさんの「あなたの文章を読みます」講座。課題文を提出し、添削してもらえる。その添削が、なんか、すごい、らしい。今春、申し込んで、やりとりがスタートして執筆。1ヶ月前にフィードバックをもらい終了した(講座内容が気になる方は調べてみてね)。

フィードバックを受けて気づいたこと。それは…個性は自分の内側にすでに存在しているということ。文章に対するフィードバックを分析したところ、こんな感じ。

・場に対する安心感を作っている
・展開のリズム感がある
・抑制気味、だけど熱を帯びている
・多面的な視点がある

…写真を撮る時考えていることや生き方と同じだった。

私自身、不安になることが超苦手で、読者や撮影させてもらう人、一緒に過ごす人に対して安心してほしいと願っている。真面目一辺倒はつまらない、いい意味で想定を裏切りたい。ガツガツ自己主張は苦手。でも情熱はある。そして多面性。

個性って探すものじゃなく、自然と立ちあらわれてくるんだ。

だとしたら、無理にこうしようとか、無理にああしようとか、あんまり考えすぎず、書きたいことを、書きたいように、書けばいい。写真だって、暮らしだって、何だって。自分が自分であればいいんだ。

▼講座で書いた文章はこちらから読めます。
13年来の推しメンを、私は毎月撮り続けている

【Work】FREAK’S STORE撮影

FREAK’S STOREがはじめた、小さなトウモロコシ畑を撮影しました。

すこーんと晴れた10月、新幹線で2年ぶりの長野。千曲川、りんご畑を抜け、畑へ。出会う人、場所、空気、すべてが心地よかった。

ローカルの仕事が好き。東京をはなれ、体いっぱいに深呼吸する。力みがすっと取れて、シャッターを押すだけで、自然といい写真が撮れていく。もっと、もっと携わりたい。

記事はこちらから。

35歳、脱皮したい気分

最近、新しい仕事の打ち合わせやロケハンはあるものの、スケジュールはゆるやかで、こういう時にどう過ごすかが大事だと思っている。で、なんか、私、今、超脱皮したいのです。

妊娠、出産と思うように動けなかった2年を経て、35歳、新しくなりたい。今まで積み重ねてきたものは変わらず大事にしたいけれど、新しくなっていきたい。実際、少し行動するだけで、いとも簡単に、新しくなれることを実感している。

印象的な事柄を2つ。

久しぶりに前髪を作った。前髪があるスタイルは似合わないと決めつけていた。私が前髪を作ると野暮ったくなる気がしていた。

でも最近切ってもらっている美容師さんに「前髪作るのはどうですか?」って提案されて。ハサミでパツンと切り落としてもらった瞬間「あ、いい」って。今っぽくて、凛としていて、やわらかい。鏡を見るたび「お、いいね」ってちょっと上がる。

久しぶりに本をたくさん読んでいる。きっかけは『私の生活改善運動/安達茉莉子』に出会ったこと。「昔、血肉になったけれど、今の自分に必要かといわれるとそうではない本とさよならした」という記述があって、ふと自分の本棚を見たら、そういう本がたくさん!!!!

しかも本棚から本が溢れかえっていて、見るたびもやつきながらも、見て見ぬ振りしていたのだ。

ということで40冊ほど手放して(清澄白河のsmokebooksさんに引き取ってもらいました)、新しい本をお迎えしたところ、当たり前だけどいろんな学びがある。昨日は数年ぶりに長編小説を一気読みした。寝不足だけど、心の奥からうれしい。

こうやって書いていると、なんて些細なことばかりなんだろう。でも、小さな変化、ささやかな新しい風が、まだ見ぬ世界につながっている。