休むから、見える景色がある

渋谷PARCOで開催した「前田敦子の”月月”展」が終わり、少し落ち着いたのもつかの間、9月から忙しい日々が続いている。

一つひとつのお仕事が本当に楽しく、やりがいのあるものばかりで、いろんな所で撮ったり、いろんな人に話を聴いたり、子どもに会いたくて早朝の首都高を走破したり。笑 あっという間に10月も中旬だ。

毎年10月は仕事のペースを落とすようにしている。それは走り続けていると見えないもの、こぼれてしまうものがあるから。本当はやりたいこと、本当に大事にしたいこと…”本当”に光をあてるには、日常の傍らだとなかなか難しい。

だからちゃんと休む。仕事が一区切りつく明後日から1週間と少し。スローダウンして、今の自分と深く向き合う。その時間が来年からの自分をさらに深く強くさせてくれることを、私は知っている。

自然の力で、整える実践

出産を機に体質が変わる、とはよく聞く話だけど、例にもれず私も変化しているなあと感じる。喉が弱くなったし、風邪も引きやすくなったし、今、全力疾走とかできない。笑

だからこそ、自分を整える術を少しずつ体得している感がある。

先週、カフェで隣りに座っていた人の風邪をもらったようで、喉がイガイガしていた。病院に行ってもよかったけど、なんとなくセルフケアでどうにかできるかも?と思い、やってみたこと。

・タイムのハーブティーをちょこちょこ飲む
・寝る時は加湿器+マスク(ユーカリの精油を1滴垂らして)
・鼻水とたんはどんどん出す
・半身浴と冷え取り靴下で体をあっためる

そんなことを症状に合わせて1週間続けていたら、すっきり治癒した。すごく面白かったの、治癒の経過が手にとるように分かって。喉から鼻に移行して、鼻水とたんを出し切ったらすっぱり治った。

薬を飲むのも大事だけど、毎回薬で抑え込むのは抵抗がある。自分と向き合って、症状に合わせてセルフケアすることで、できることもある、と小さな気づきでした。

※写真は妊娠中に夫が撮ってくれたもの。千葉の海、意外ときれいなんだよな。

【Work】平井美葉さん(BEYOOOOONDS)撮影・インタビュー

平井美葉さん(BEYOOOOONDS)撮影・インタビューしました。

今はアイドル・平井美葉を生きる。理想と葛藤で揺れながら

連載タイトルは『私は、わたし』。七緒がその瞬間の彼女を写真と文で描写する
リアルドキュメンタリーです。今年のはじめに企画を提案し、ついに形になりました。

BEYOOOOONDSを好きになったのは妊娠中だったかな。底抜けに明るいパフォーマンスと前向きな歌詞にベッドに横たわりながら元気をもらっていた。

なんでこんなに苦しいんだろう。なんでこんなに悲しいんだろう。そんな日は必ずBEYOOOOONDSを観ます。

平井さんはアイドルにとどまらない表現力がありながら一方でアイドルであることもプロとして大切にしている。そして等身大がめっちゃかわいい。そんな”人間・平井美葉”が届くようにと願いながらつくりました。

ファンの人はもちろん、そうでない人にも届く何かを。と、いつも考えながら撮って書いている。だって人の生きざまって力があるから。遠く思える誰かの”人間”にふれることでみなさんが少しでも前に進むきっかけになれたら。

そして取材させていただく方にも『私はわたしでいいんだ」と思ってもらえたらうれしいな。

ちなみに好きな曲は「元年バンジージャンプ」「We Need a Name!」「こんなハズジャナカッター!」「英雄〜笑って!ショパン先輩〜」です。

今はアイドル・平井美葉を生きる。理想と葛藤で揺れながら

連載「写真家が一冊の“何か”をつくるまで」完

2020年初夏、私はモヤモヤしていた。好きを仕事にしているのに、たどり着けない場所がある。そこに行くのに何が必要かわからないけれど、まずは自分の表現を一冊の形にしようと決めた。

制作過程や葛藤をありのまま公開したら、きっと参考にしてもらえると息巻き、haconiwaさんに連載企画を持ち込んだ。一冊の”何か”は「あわい」という雑誌になり、発行から1年が経った。

写真家が一冊の”何か”をつくるまで」最終回を執筆しました。1年越しになったのにはわけがあって。それは実際作った後どうなったか、売上などもシェアしようと思っていたから。

ものづくりって、当たり前だけど、つくって終わりじゃない。
つくって、届いて、なんぼだと、最近つくづく思う。

私には、残念ながら、”広く”届ける力がまだ足りない。そこが課題であり、伸びしろでもある。深くずしんと届けるのは得意な気がするのだけど。

楽しいことも大変なことも、ありのまま書いた2年間。クライアントワークに限界感じてるとか、原価への葛藤とか赤裸々に書いたなあ(笑)連載を通じて「私も何かできるかも」と思ってもらえたら、本望です。ぜひ読んでください。

忠地七緒の「写真家が一冊の“何か”をつくるまで」最終回
→あわいはこちら

憧れ、続けている人

「もう二度と履歴書は書かないと決めたんです」

その言葉にどれほど勇気づけられたかわからない。日傘ブランド「coci la elle」が閉店することを知った時、私はずっとその世界観に憧れ、身にまとうことで、力をもらっていることを思い出した。

日傘、ハンカチ、iPhoneケース、一筆箋…。

お店で原画展を開催しており、昨日足を運んだ。どうしても息子と行きたくて、抱っこして。息子は終始緊張した面持ちだった。私は「coci la elle」主宰・ひがしちかさんが生み出した絵や作りあげた空気にふれながら、なんだかうまく言葉が紡げないでいた。

美しさとリアル、繊細と大胆、チャーミングとユーモア。日傘と雨傘、泥臭さと洗練、母と女。その狭間を行き来しながら、夢を見せてくれた方。

読み物本「コシラエルとはなんだっかのか」もとってもとっても良かった。coci la elle誕生秘話からこれまでの奮闘(とっても前向き!)が正直に書かれていて、ひがしさんがお喋りしてるみたい。これからもきっと何度も読み返す、お守りみたいな本。


傘の素(もと)展覧会
会期 2022/9/17(土)~25(日)
時間 11時~18時
場所 東京都江東区三好2-3-2