写真と文を仕事にすること

独立6年目の今、写真と文、どちらも仕事にすることは呼吸と同じくらい当たり前のこと。だけど当初は「写真だけに絞れない自分は半人前なのでは?」という疑念が消えなかった。

結局、そのモヤモヤから抜け出せたのは独立3年目くらいかな…。きっかけは他者肯定と自己肯定。当時お手伝いしていた写真家さんに「そのスタイル、いいね」的なことを言ってもらえたこと。そして何より写真と文というスタイルを面白がって、価値を見出してくれる人が増えてきたこと。

雑誌『あわい』でお話を伺った古川誠さんが、取材後こんなことを言ってくれた。

「ピントを合わせるように、インタビューもするんですね」

写真を撮るとき、どこにピントを合わせれば一番魅力的に写るかを考える。話を聞いて文を書くとき、どこを論点にすれば一番魅力が伝わるか考える。やっていることは写真も文も一緒。

写真と文。どちらの領域でもいいものを作り出せれば、無敵だと思う。無敵ってなんやねんって感じですが。笑 写真で届けられること、文で届けられること、どちらも組み合わさるから届けられること。

そこにあえて挑戦していきたい。生涯かけて。


前田敦子の”月月”
雑誌『あわい』創刊

”寂しい”も大切に

子が保育園に入園して2週間。初日から一度も泣くことなく、お迎えに行くと機嫌良し。いつもいつも子の順応力の高さに驚かされる。

慣らし保育も少しずつ進み、安堵している一方で、平日一緒にいられる時間が少ないことに寂しさを覚えている。朝起きて登園までの1時間とお迎えから就寝までの数時間。

もちろん頭では理解していた。保育園に行っている間仕事できることもありがたい。でも、単純に寂しい。さ、み、し、い…。生後2-3ヶ月頃から仕事復帰して、3月までもどっぷりベタベタ生活でもなかったのに、さ、み、し、い。

夫にその話をしたら「え、そう?俺はもう割り切ってるよ。保育園に行くってそういうことだから」と。そりゃそうなんだけどね〜。これは母ならではの感情だろうか。

少しずつ、親のいない世界が広がっていく。それは素晴らしいことだろう。うれしいことも悲しいこともあるこの世の中を、意志を持ってサバイブしていってくれよ、と思う半面、いつだって辛い時悲しい時はぎゅーってするからね、大丈夫だからね、とハグをする。

きっとあと1ヶ月、半年もすれば、保育園生活も日常になるだろう。寂しい、は今だから味わえる感情かもしれない。だからひっそり書き留めてみました。


前田敦子の”月月”
雑誌『あわい』創刊

ゆるんで眠れる夜のルーティン

昔より、ぐっすり眠れるようになった。もともと寝付きが良いタイプではなく、産後は子が気になって眠りが浅いときもあった。でもちゃんと眠れていないと翌日辛いお年頃。この半年で自分に合った夜のルーティンを構築していった。

夜ぐっすり眠るには、心身ともに”ゆるんでいる”ことが大切。刺激はできる限り避け、自分自身を整えて、一日を意識的に終えていく。そのために何をしているのか、書いてみようと思う。

子が眠り、夕飯を食べ、うさぎのお世話が終わるのが大体20時。夜眠るのが22時〜23時。その2〜3時間でやっていること。


①お風呂

お風呂に30分〜1時間入る。湯船に浸かる、スマホは持ち込まない。本を読んだり、時には何も持ち込まず、ぼんやり思索にふける。お湯にゆらゆら体を預けることで、心身の緊張がほどけていく。体が重いな…しゃっきりしたいな…という日はハーブで作った入浴剤や日本酒を入れて発汗を促すことも。

②ストレッチ

お風呂上がりはストレッチ。通っている整体で教わったストレッチ(骨盤・首肩・肩甲骨)を15分くらいゆるゆると。凝っている部位は、精油を入れて作ったマルチバームを手に取り、滞りを流すようにマッサージしていく。自分の体に目を向けることで、より一層リラックスしていく。

以前はストレッチなんて効くわけない…と斜に構えていた。でもお風呂に入ったことでゆるんだ体をさらにほぐすことで、芯から力が抜けていく感覚がある。ちなみにストレッチが終わったらスマホを触るのもおしまい。翌朝まで見ない。

③読書

寝るまで時間がある日はリビングで本を読む。ビジネス本などを読むと脳が活性化されるので、言葉の響きが美しい小説や、かんたんに読み切れるエッセイを。鉄板で好きなのは江國香織のエッセイ。言葉選びがどきゅーん。美しい世界に浸って、日常やTodoリストから頭を引き剥がしていく。

④時々ハーブティー

さあ、寝るぞ。でも「まだ脳が動きすぎている」「体の硬さが取れない…」そんな日もある。そういう時はハーブティーをほんの少し飲む。Lienfarmの「thanks mom」は脳からゆるんでいく感覚があるのでお守りとして飲むことが多い。

ラベンダー、パッションフラワー、ジャーマンカモミールあたりが入っているハーブティーがおすすめです。ゆるみます。

⑤就寝

ベッドに入ってから何をするかも結構大切。まず仰向けになって呼吸を落ち着かせていく。ゆっくり吐いて、ゆっくり吸ってを繰り返す。全身にぎゅーっと力を入れて、脱力するのを繰り返す(寝たまんまヨガ旧アプリでやっていたヨガニードラを、アプリなしでやっている)。それを繰り返しつつ、目を閉じてぼーっとしていると、眠っていることが多い。

朝は7時に起きるので、7〜8時間は眠れていて、このくらい眠れるとかなり体調が良い。ちなみに子は同じ寝室のベビーベッドで寝ている。夜起きることがあまりないので、同室で寝ていても割とぐっすり眠れる。ありがたい…!


もちろんルーティンをガチガチにやっているわけではなく、体調や疲れ具合によって、スキップする項目もある。夜な夜なSNSを徘徊する日もある。笑

ただ自分をゆるめるTipsやルーティンを持っていることで、この通りやれば大丈夫という安心感があるし、ルーティンをやりたくない時は「あ、何か自分の中で起きているな」と気付ける。

無意識に過ごしていると、なかなかゆるめるのが難しい私たちの夜。ささやかなことばかりですが、参考にしてもらえるとうれしいです♥


前田敦子の”月月”
雑誌『あわい』創刊

ささやかな週末ひとり旅

先週末、愛知に行ってきた。近くで撮影があり、せっかくならと岡崎へ足を伸ばした。知り合いが宿を営んでいたり、以前取材した方が住んでいたり、なんとなく気になっていたのだ。

徒歩圏内に個人オーナーのこだわりがつまった店が点在しており、空は広く、公園のデザインも素晴らしく。朝からラジオ体操している人たちがいたり、さすが愛知、喫茶店が多かったり。

滞在は12時間と忙しなかったけど心が喜んでいた。とても居心地がよかった。

ひとりで知らない町を歩く。一人ぼっちの寂しさもありつつ、冒険心がむくむく湧いてくる。余計な思考や固定概念から解き放たれ、フラットな気持ちでまた頑張ろうって思える。だからひとり旅が大好き。

東京に住みはじめて10年。東京は好き。でも東京は内面を見つめるにはうるさすぎる。

もう少し静かな場所で、仕事を暮らしを積み上げていきたい。そんな想いを新たにしたささやかな週末ひとり旅だった。


前田敦子の”月月”
雑誌『あわい』創刊

資本主義とお金を疑いたい

今日書くことは、自分の中でも詰めきれていなくて、曖昧な話になってしまう。

最近、資本主義やお金について考える。

私は、お金をたくさん持つ人はすごい、とか、大きな家に住む人は憧れ、とか、たくさん仕事している人が有能、という空気の中生きてきた。そういう教育だった気がするし、そういうCMが流れていたし、そういう雑誌を読んだし。

でも、それって本当なのかな。じゃあお金を持っていない赤ちゃんはすごくない?小さな家で身の丈に合った暮らしをしている人はかわいそう?年1回だけ撮影する人は能力がない?

たとえば老後2,000万円が必要という話を聞いたことのある人は多いと思う。でも、自分で野菜や米を育てて、助け合える仲間がいたら、きっとお金はそんなに必要ないと思う。

私は数年前、すごく働いて、すごく稼いだけど、当時の生活が今より幸せだったとは思えない。朝昼晩手作りのご飯を食べて、夜は働かず読みたい本を読んで、信頼できる人と自分を消費しない仕事をしている今の方が、幸せ。

私が当たり前のように捉えている社会通念は実は社会から刷り込まれているものなのかな。どうなんだろう。

たくさんじゃなくて、価値があると感じるものを心地よい量で。
速く速くじゃなくて、大切なものをゆっくりと。

そんな生き方、働き方をしていきたいんだけど、どうすればいいんだろう。


前田敦子の”月月”
雑誌『あわい』創刊