フリーランスフォトグラファーの産休・育休

妊娠して一番に思ったのは「産休・育休どのくらい取れば良いんだろう?」でした。大きなお腹で撮影するのは大変だろうし、産後の体のダメージがどれほどかもわからない。ネットで検索しても十人十色。産後すぐ復帰したという人もいれば、1年は休んだ方が良いという言葉も。

私が大事にしたのは焦らないこと。だって一生に一度しかないであろう機会だもん、妊娠・出産・産後って。そして何が正解かわからなかったから心身の声を聴いて、心地よいタイミングで休み、復帰することにしました。ということで体験談を書いてみます◎


まず産休。一人で撮影するのがきついなあと思い始めたのは今年6月、妊娠8ヶ月の頃。機材を持ち続けるとお腹が張るし、高い所に乗ったり、しゃがんだりするのが怖くなってきました。アシスタントに機材持ちや行き帰りのサポートなどを全面的にお願いし、7月上旬までは撮影を続けていました。

最後の仕事の撮影が7月16日、予定日の6週間前。法律で定められている産休は出産予定日の6週間前なのでああ、ぴったりだ、うまくできてるもんだな」と思ったことを覚えています。お腹が重くて、息切れもするし、ギリギリのタイミングでした。

その後、デスクワーク(たとえば執筆)はできたので本格的に産休に入ったのは、8月上旬、予定日の3〜4週間前。しばしゆっくりした時を過ごし8月下旬に出産しました。


そして育休。新生児期は子の世話に慣れていないし、体の痛みも残っているし、眠いし、で毎日を生きること&息抜きに注力しました。とはいえ、隙間時間に原稿やブログを書いたり、仕事の助走みたいなことはしていました。夫が育休を取っているので自由に過ごせる時間は多かった気がします。

10月。1ヶ月検診が終わり経過も問題なかったので、週2-3日・数時間だけと決めて、ゆるやかに仕事を始めてみました。『あわい』の発送をしたり、HPを更新したり、進め方をハンドリングできる自分のプロジェクトから。この頃から新規のお仕事のご相談をいただくことが増えてきました。

11月。出産から2ヶ月経ち、体も心も戻ってきた感覚があります。体の痛みはほぼなくなり、整体や毎日のストレッチで整える術も身につけました。心はどうでしょう?妊娠・出産直後の「THE女性ホルモンの乱れによる情緒不安定★」はなくなった気が(笑)

だから11月からマイペースに復帰してみることにしました。復帰とはいえフルタイムで仕事するのは来年4月以降(保育園に入れれば…!)。今は子どもとの時間を大事にしながら、週に何日か数時間だけ。限られた時間の中、どんなことができるのかとても楽しみ。


出産前には想像しえなかったほど、子どもがかわいくて大好きで仕方ないです。でも不思議と「○時から仕事」って決めるとすっと頭が切り替わるし「○時から子どもと遊ぶ」って決まっているから、ガッと集中して仕事できる気もします。

育児と仕事のバランス。どんなお父さん・お母さんも悩んで模索して自分たちの正解を見つけていくんだろうな。

フリーランスは手当とか何もなくて金銭的には大変だけれど、休み&復帰のタイミングも仕事のペースも自分で決められて自由度が高い。そのメリットを活かして私もその都度、その都度、考えて、試行錯誤して、自分たち家族が笑顔でいられる形を見つけていきたいと思います。


前田敦子の”月月”
雑誌『あわい』出版

傷に気づくこと

1ヶ月くらいひたすら自分と向き合っています。「私は何が好き?何をしたい?どうありたい?」など自分の心の奥に問いかけて、本心を導き出していく作業。

骨の折れる作業ではあるものの、自分について理解が深まり、生きやすくなるし、目標が明確になるので3年間、毎年続けています。方法やどんなことが得られるかはまた別途書こうと思っていて、今日は「傷に気づくこと」について。

自分と向き合っていると”自分”に対する繊細度が上がっているのか普段は見ないふりをしたり、感じにくい小さな傷を掬い取れることがあります。私はコミュニケーションがうまくとれない…具体的には返信が来ないことがとても苦手なのですが、まさにそれが起きていて傷ついていたことに今日気づいた。で、少し涙が出た。

返信が来ないなんて些細なこと。ということを頭では理解しているけれど、心は傷ついていた。傷ついているということに気づき、涙を流したあと、少し気持ちが軽くなった。私、傷ついているんだ、傷ついて良いんだと受容できたんだと思います。

大人になると、傷ついたり、涙を流したり、悲しんだり、悔しがったり。そういった負の感情を人前のみならず自分の前で出すことすらはばかられる気がします。それで知らないふりしたり、見て見ぬ振りしたりして、積もり積もって。

でも感情に善悪はないし、さすがに人前でいきなり泣き出したらびっくりされちゃうけれど、自分の前なら素直になって良いのかな。負の感情こそ気づいてあげられたら”私”はきっとうれしい。そんなことを思った日曜の夜。


前田敦子の”月月”
雑誌『あわい』出版

夫が育休を取ってよかったこと

夫が育休を取って2ヶ月が経とうとしている。「旦那さん、5ヶ月も育休取るの?すごいね!」って声をかけてもらう機会も多いけれど、私たちにとって夫が育休を取ることは自然な選択だった。

”母親だけに負担がかかって、産後辛かった”という体験談を出産前、山程読んだ。でも喜ばしい命の誕生なのに、ネガティブな気持ちが上回るとしたら悲しい(振り返ってみれば思い出になるのかもしれないし、人それぞれだけど◎)。

二人の子だから、二人で見たい。シンプルな結論だった。

夫もそう思っていたし、私が妊娠中仕事をセーブした代わりに、産後の仕事復帰をサポートしたいと言ってくれた。

夫が育休を取って良かったこと。それは子を心底かわいいと思える余白があること。大変なことが起きても一つひとつを話し合って、解決していく、子が大きくなっていく。プロセスを全部いっしょに味わえる。今日もかわいいね、明日もきっとかわいいね、と言い合える。追い詰められることがない。

そして互いの一人時間も作ることができる。最近、週3日・6時間というペースで仕事に復帰しつつあって、このブログも近くのカフェでゆるゆる書いている。その間、夫と子は仲良く過ごしている。たまに送られてくる写真を見て「ああ、かわいい。きっちり仕事して一緒に遊ぼう」と集中できる。

私が子を見ている時は夫も気分転換しているみたい。もちろん三人でお出かけも楽しい。楽しすぎる!

人生のはじまりを二人で見つめられること。そして自分の人生も大事にできること。男性育休=特別なことではなく、もっともっともーっと当たり前になっていったらいいな。


前田敦子の”月月”
雑誌『あわい』出版

歌うようになった

そういえば子が生まれてからよく歌うようになった。「チューリップ」「森のくまさん」などの王道童謡から「お風呂〜、お風呂〜、○○(子の名前)の大好きなお風呂〜♫」という自作の曲まで。恥ずかしげもなく歌っている。

夫婦2人で暮らしているときはなかったから、変化っぷりに笑ってしまうのだけれど、歌うって良いなあと改めて。歌うという行為…声を出すこと、リズムをとること、たまにへんてこな歌詞を作ることに自分自身が癒やされ、元気づけられている気がする。

今日も子は朝からご機嫌で、朝日をまぶしそうに見つめ、あーうーあーうーおしゃべりしている。いつか一緒に口ずさめるかな。子が生まれて人生の楽しさが10倍にも100倍にもなった。


前田敦子の”月月”
雑誌『あわい』出版

やわらかな隔離

ベッドでは寝ないくせに私の腕の中だとすやすや眠る子がかわいくって、抱っこしたまま1時間昼寝させることがある。くーくー寝息を立てる子を抱っこしていると、このままべったり暮らすのもありかなあとぼんやり考えたりもする。

合間にInstagramを開く。周りの人の新しいプロジェクトや洗練された暮らしが目に入る。撮影現場のオフショットを見て、つい3ヶ月前まであっち側にいたはずなのに、なんだかもうあんまり思い出せない。今の自分は随分遠く離れた場所にいる。やわらかな隔離。

これからの私は何をしたいのか。何ができるのか。感情の変化を見つめたり、驚いたり、体の声に耳を傾けながらじっくり向き合う日々です。


前田敦子の”月月”
雑誌『あわい』出版