愛情ましましで撮るように

子が生まれて変化したことは色々あるけれど、最近ビビッドに変化したと感じているのは、人の撮り方。

私の撮影現場をご存じの方は「あ〜あの感じね」ってなるはず。撮影の時、特に女の子を撮る時は、ぎゅんっと集中して、ぐあーって撮っていく(擬音が多い。笑)。ファインダーをのぞくと「あーかわいい、あー最高、あー大好き」みたいなテンションに自然となり、そのままフロー状態になって撮っていく。

その「人が大好き」って気持ちが、子どもを産んでさらに強まっている。

子どもが産まれるまでも、人への愛情を持ってはいたけれど、どこか隠し気味というか…そういう愛情深い自分を恥ずかしく思っている節があった。

ところが、子どもを産んで、子どもという人間に愛情(母性という言葉でも置き換えられるかもしれない)どばどばどばーっとなって。無限の泉から愛情が溢れ出るようになり、写真を撮る時も同じ感覚になる。しかも男女問わず。

人が一人大きくなるまでに、どのくらいの手がかけられているのか。過程をささやかながら体感しているからかな。毎日毎日子に大好きって伝えているから愛情表現が恥ずかしくなくなったのかな。

なんだか不思議なくらい、人類愛な私です。そしてそんな私が撮る最近の写真が、結構好きです。


前田敦子の”月月”
雑誌『あわい』創刊