家族写真は真空パック

子が保育園に入園した。初日の今日は慣らし保育。基本的に人見知りや場所見知りせず、おだやかに遊び、ミルクを飲み干し、にこにこして私たちのお迎えを待っていてくれた。

子がいることで、今まで素通りしていた日が大切な記念日になる。はじめて寝返りした日、ちっさな歯が生えてきた日、おむつサイズアップした日。その一つ一つを目に心に焼き付けたいけど、忙しい中、感動はどうしても薄れていく。

3月上旬、沼山かおりさんに写真を撮ってもらった。

沼山さんの家族写真はいわゆるかしこまって、ではなくありのままの日常をそのまま残してくれるもの(プラン名も『育休とか日常とか』って名前で面白い)。

撮影写真はあの時の私たち家族の空気感がそのまま真空パックされたようだった。

私は息子のことが、世界一大好きで、毎日大好きって伝えるし、ここには書けない濃ゆ〜い愛情表現もしている(お母さんってそういうもんですよね)。でもそのことを彼は覚えているだろうか。私に0歳の頃の記憶がないのと同様、覚えていないだろう。私たち親も0歳のみずみずしい感動は忘れていくと思う。

でも1枚の写真があれば、記憶も感情も情景も全部蘇る。そのことが彼のじんわりとした喜びにつながればうれしいし、何より私たち親は10年後、20年後、この写真を見てほろり、するだろう。

毎日、毎日を記念に残したい所だけど、そうもいかないわちゃわちゃとした日々だから、せめて1年に1回はずっと家族写真撮ってもらいたいな。思春期でふてくされている顔も、また記念だし。


前田敦子の”月月”
雑誌『あわい』創刊

【Work】山野ゆりさん撮影

モデルの山野ゆりさん、撮影しました。というかパン野ゆりさんと書いた方が正しいのかもしれません🍞

私がいつもお世話になっているパリマグというWEBマガジンで連載されていて、いつか撮影できたらな〜と密かに願っていたので、とってもうれしかった。

山野さんとかわいいパンを撮る…というただただ楽しいひとときでした。

個人的には制作会社・Roasterさんとご一緒できたのもうれしかった。ずいぶん前から気になっていて、いつかご一緒できたらな〜と思っていたのです。最近いろんなご縁が繋がっていくなあ。

インタビュー&写真はこちらから。

赤ちゃんっておもしろい

子が7ヶ月になり、できることがうんと増えてきた。たった数ヶ月前まで仰向けがデフォルトだったのに、最近は体をひねり、ころんと寝返りし、寝返り返りを駆使して、あっという間に私の膝の上から机の下に転がっていく。

離乳食がはじまって、食への興味がすごくあるようで、抱っこひもで散歩中、私が飲んでいるコーヒーをじーっと見上げて、にたーっと笑ったり、昨日は家にある2Lのペットボトルをひたすらなめていた。

基本的に機嫌が良く、よっぽど不快な時以外ほぼ泣かない。バウンサーに揺られながら、あーうーおしゃべりし、今日もかわいいねと伝えるとにまーっと笑う。

と、に、か、く、赤ちゃんってめちゃめちゃおもしろい!

よくメディアで見聞きする”育児大変で満身創痍”とか”子どもが生まれたら自分のやりたいことできない”みたいなのって、本当に人によると思う。そういう人もいるだろうし、そうじゃない人もいる。

子がいる大変さばかりクローズアップされがちなのは、なんだかもったいないなあ(その方がアクセス数稼げるからなのかな…)。

人間の成長を一から間近で見られることがとっても楽しい。たとえ離乳食をぶん回されてワンピースがドロドロになっても、よだれまみれになっても、そんなことは全部チャラになる楽しさ、愛しさが子にはある。

毎日、毎日、生まれてきてくれてありがとうって思ってる。


前田敦子の”月月”
雑誌『あわい』創刊

体は、自然

前回の記事で整体に行きはじめたことをちらっと書いた。子どもが生まれて、そこまで疲弊しているわけではないけど、それでも8kgもある赤ちゃんを抱っこしたり、持ち上げたり、遊んだり。首肩腰に負荷がかかるのは当然のことだよなあ。

体のコリが慢性化していて、そろそろ本腰入れて治したかったし、夫が数年前から通っていて、行くたび元気になっていく姿を見ていたのも大きい。

で、1時間の施術を受けるのだけど、それが気持ちいいーーーーーー!のはそりゃそうだよねって感じなのですが、施術の合間にかけてくれる言葉に感じ入ってしまう。

「肩が凝ると呼吸まで浅くなります。呼吸が浅くなると息が詰まるから、物事も行き詰まるんです」
「体はいつだって素直。痛みがあるのは頑張りすぎている証拠」
「頑張るっていうのは”頑なに張る”と書きます。頑張るんじゃなく楽しみましょう」

一つひとつの言葉がしっくり来て、私が植物療法を学ぶことで実感している心身の奥深さとリンクする。

「体は自然なんです。体を見つめることは、海や山などの自然にふれることと同じくらい癒やされることです。体に目を向けたらちゃんと良くなっていきます」

こないだ教えてもらった言葉。私たちは忙しさにかまけて、体からのサインを見て見ぬ振りしたり、自分の体なのに気にかけなかったり。でも不調は体からの大切なサイン。ちゃーんと見つめて、ケアしてあげよう。


前田敦子の”月月”
雑誌『あわい』創刊

弱い私にはリセットが必要

この3連休はリセット、だった。

2月から夫が育休から復帰し、平日は3日だけ仕事、残り2日は子と過ごしている。という想定だったけれど、3日間できっちり仕事を終えるのはなかなか難しく、子と過ごす平日の早朝や夜にちょこちょこ仕事をしていた。

仕事自体は大好きなので、嬉々としてやっていたわけだけれど、心と体が少しずつ追い込まれていったみたいで、まず体が悲鳴を上げた。首と肩と腰がガッチガチ。整体の先生いわく”何かに追われ続けている体”。

同時に気持ちも落ち込み気味になり、なんかいろんなことがどうでもいっかーお菓子たーべよっみたいなモードに突入した。

日々に追われはじめると、じわじわ余裕がなくなっていく。視界も狭くなり、早く早く早く。多く多く多く。強く強く強く。という思考回路になっていく。そんな思考は自分自身を追い詰める。

この3連休は仕事から離れ、昼寝したり、何もしないでぼーっとしたり、小説を読んだり、してみた。そうするとあんなに忙しなかった気持ちがふくふく余白を取り戻した。

私は、どちらかというと弱い人間だと思う。早く多く強くを求められる資本主義社会(&東京)だけれど、私は大切なことを、手に持ちきれる範囲で、時間をかけてゆっくりと丁寧にやっていきたい。どうしても日々に追われるけれど、そんな時はこうやってリセットして。


前田敦子の”月月”
雑誌『あわい』創刊