ここ数日、胃腸炎で寝込んでいました。いつも春先にかけて高熱が出て1日寝て汗をかいて治す、というのがよくあるパターンなのですが、今回は治りが遅かったのと、今の情勢も相まって眠っている間に色んなことを考えました。
胃腸炎になったのはきっと色々な原因が重なっているんだろうけれど、今年に入って辛いな〜と思うことがいつもより多くて、頑張って持ちこたえてくれていた体が悲鳴を上げたんだと思います。仕事の忙しさ、取材先とのコミュニケーションのずれ、ペットの死、お世話になっていた雑誌の休刊、世の中への不安。そういうことがじわじわ積み重なって体にどーんと出ました。
最近読んだ中で『からだとこころを整える(著:田中のり子)』という本があります。あとがきに書いてあった言葉が印象的だったのでかいつまんでご紹介します。
からだやこころについて深く考えるようになって、「あれはよくなかったな」と思い返したのは、自分の辛さを人とくらべて「こんなのは大したことじゃない」と、なかったことにしようとしたことでした。
「辛い」という気持ちは、自分が認めてあげないと逃げ場がなくなり、癒やされること無く、こころの奥底にもぐってしまいます。そして逆にいつまでもその痛みを引きずってしまうのです。
体力がある人もいれば、疲れやすい人もいる。ストレスや痛みに強い人もいれば弱い人もいる。それは「いい」「悪い」ではなく、それぞれの個性。辛さをジャッジするのではなく、認めることが大切だったんだと考えるようになりました。
この文章を読んだ時、すごく救われた気持ちになりました。自分が感じる怒りや悲しみ、苦しさをつい他人と比較して「私はあの人ほど大変じゃないから落ち込み過ぎちゃいけない」と片付ける癖があったように思うのです。なかば自動変換のようにしていたけれど、そうじゃないんだな。自分の感情は自分の感情として認めて良いんだ、と知りました。
今、このような状況で何を信じればいいのか、どう生きればいいのか…。家にいて時間はいつもよりあるけれど、ネットを見ると辛いニュースばかり目に飛び込んできて、余計気持ちの置き所が分からなくなる…そんな人も多いはずです。寝込んでいた期間の私はそうでした。
どうか…そういう気持ちを無かったことにせず、なるべく自分を大事にしてさしあげてください。大きなことじゃなくて良いです、おいしいケーキを食べたり、ゆっくりお風呂に入ったり、眠る前にストレッチするとか、簡単でご自身をケアできること。
そしてこのウェブサイトでは世の中のニュースからは少し離れて、心をふわっと軽くしたり、息をふうっと吐けたり、未来が楽しみになれるようなことを小さく、継続的にお届けしていこうと思います。日常にひそむ小さな奇跡や喜びをそっとすくい取って、毎週お届けしていきますので、ぜひ楽な気持ちで遊びに来てくださいね。