3月31日、一冊のノート

3月31日。息子の保育園1年目が終わった。清々しい成長と共に、1冊のノートが手元に残った。所々よれっとなっていたり、カピカピのご飯粒がついてるノートが赤いリボンできゅっと結ばれて。

机に置いてあるのを見た瞬間、ぶわっとこみ上げてくるものがあった。それは毎晩、毎晩、書き続けた連絡帳。

睡眠や食事の生活記録、体調などを書いて持っていき、園でどんな遊びをしたか、どんな様子だったか、先生が書いて戻してくれる。

もともと交換日記が好きなこともあって、連絡帳が楽しくて。家に帰るまで待ちきれなくて信号待ちとかで読んじゃってたし、子育ての悩みを綴ったことも多々あった。

改めて読み返すと、私たちの1年間の子育てがそこにはあった。夏風邪で苦しんだこと、歩けるようになって喜んだこと、おかわりを6回もして驚いたこと。

子どもとの日々はあっという間に過ぎていく。物理的に忙しいのもそうだけど、いつだって今日・目の前にいる子どもが一番かわいくて、それ以前のことはどんどん記憶のすみに追いやられていく。

でも、リボンで結ばれた連絡帳を目にして、忘れてしまうけれど、たしかに0歳児クラスの日常はあったし、そのことを思い出せる手がかりができた、とホッとした。

いつか息子が文字を読めるようになったら、手渡そう。言葉なんかより、この存在が何よりの証だろう。そんな感傷にふけりながら、保育園生活2年目もせっせと連絡帳を書く。