清澄白河のこと

清澄白河に越してきてもう7年になる。引っ越してきた時はブルーボトルコーヒーができる直前で、小さなコーヒースタンドやカフェが点々とある程度だった。そこから数年の間に個人店主のユニークなお店が増えに増え、カフェ巡りや散歩が楽しい町の代名詞になった気がする。

私がこの町に住んで本当に良かったと思うのは、顔見知りの人がたくさんできたこと。近くのコーヒースタンドのご夫婦、イベントで出会った友人、センス抜群のお花屋の皆さん、いつ訪れても心がじわーっとあたたまる雑貨屋の店主。

仕事で行き詰まったとき、子どもと遊ぶネタが尽きたとき(よくある。笑)、なんとなく人と話したいとき、ふらっと足を運ぶ。話すのは時間にして数分。でもその他愛もないコミュニケーションで気分が切り替わり、ああ、今日もいい一日だー!と思える。単純。

これからずっと清澄白河に住み続けるかはわからない。でもこの風通しのよい町を私は心から愛してる。

家族のリズム

11月から週3・数時間というペースで仕事復帰し、心地よい毎日を過ごしている。

1日は育児と仕事がゆるやかに入りまじる。今日は4時頃から子が何度か起きたのであやしつつ、7時に朝ごはん、そして30分だけ仕事。10時からおむつなし育児の交流会に夫・子・私で参加し、午後は編集者さんと打ち合わせして、夕方まで執筆。その後、子のお風呂、寝かしつけと続いていく。夜はゆっくり本を読んだり、夫婦で話したり自由に過ごす。

子といる時間、仕事している時間。パンッと時間を区切らないと難しいかなあと思っていたけれど、意外と秒で切り替わる。目の前のことにただ集中、ただ楽しむ。それが秘訣なのかもしれない。というか仕事の合間に子とたわむれることで気分転換できるし、その逆もしかり。

私が仕事している間は、育休中の夫が子と遊んでいる。夫婦ふたりのときには考えられなかったほど、目尻をでろでろ下げ、かわいいかわいいと連呼している。もうすぐ生後3ヶ月、ようやく家族のリズムができてきた。


前田敦子の”月月”
雑誌『あわい』出版

”毎日”への憧れ

毎日コツコツ続けられる人に憧れがある。たとえば日記、たとえばブログ。意気揚々とはじめるのだけど、見事に3日〜1週間坊主。ほぼ日・糸井重里さんの「今日のダーリン」もそうだし、最近気になっているのは家族カレンダー。2016年5月15日〜今日までの毎日、家族との日々が描かれている。

内容は他愛もないことなんだろうけど、誰かの生活って愛しくて興味深くていいよなあ。有名無名関係なしに、人の生活って「生(なま)」だから惹かれる。

子どもが生まれて(子どもが生まれて変化したことが多くて、この書き出しばっかりになってしまう。変化していないことももちろんあるのだけど…)毎日大きくなっていく子の成長や心境の変化を書き留めたいなあとふつふつ。さて、できるのか、できないのか。


前田敦子の”月月”
雑誌『あわい』出版

生きざまを柔らかく届ける

撮影復帰しました。今週はいきなり3本。たまたま重なっただけとはいえ、うれしくて、ああ戻ってきたなあという感じ。

復帰1本目の撮影をしている時「ああ、私は人の生きざまを柔らかく届けたいんだなあ」としっくり来た。前から”生きざま”という単語はずっと頭にあって。でもちょっと強い言葉だし、言い換えられないかなあと考えていた。

だけど、やっぱり”生きざま”。その人が生きる姿、何を大事にしていて、これから何をしていきたいのか、人生のターニングポイントや挫折、何を学んだのか、嘘のない言葉を姿を知りたい、残したい、届けたい。

たとえばお菓子屋さんで取材をしていても目の前のケーキより店主の開業ヒストリーが気になる。ファッション撮影をしていても服よりモデルの女の子の佇まいが圧倒的に気になる(だから私はファッション撮影の仕事が少ない。笑)

そして人の”生きざま”をそのまま届けるとちょっと強い、ちょっと重い。だから私の写真の作風のじわ〜っとした湿度感や光、やさしい文章で和らげる。すると受け手の心にすっと届く。それを、やりたい。嘘のない、本当から生まれる表現を。


前田敦子の”月月”
雑誌『あわい』出版

大切なことは簡単な言葉で

子どもが生まれたことで”家族”への興味が高まっている私。先日、夫とファミリークレドを作った。クレドとは信条・指針のこと。仕事では当たり前にある目標を家庭においても明文化した方が、ものを買う時でもけんかしたときでもぶれないだろうと思って。

わが家のクレドは話し合った結果「みんなの心身が健やか」「夫婦仲良し」に決定。え、めちゃ普通のこと言ってるやん、小学生でも作れるわって思ったけれど、やっぱりここに行き着いて。全員(私・夫・子ども・うさぎ)の心と体が健やかであることが大事だし、さまざまな決定権がある私たち夫婦が仲良しであることが大事。

文を書くことを仕事にしているからか、つい見栄えが良かったり、難解な言葉を使ってしまいがち。だけど本当に大切なことって誰でも分かる言葉で言い表せられるんだ。みなさんのファミリークレドは何ですか?


前田敦子の”月月”
雑誌『あわい』出版