日々の粒子3

4/12
お庭で朝ごはん。橙の葉が夜露にぬれて、ダイヤモンドみたい。チューリップの黄色とピンクが満開。どこかから鼻歌が聞こえてくる。しいたけを子がもぎって、お昼はしいたけパスタ。冬に出てこなくて心配してたけど、春になったから。待つ大切さを季節は教えてくれる。近くの山に登り、エルダーフラワーの花、満開の桜、鳥たちの合唱、春の峯山は天国。庭でナスととうもろこしの種を蒔き、ジューンベリーを植えた。直売でレタス無料!

4/13
朝ごはんはレタススープ。季節のめぐみは食卓で繋がってゆく。グミの花が咲きはじめた。甘い白の香り。夕方、ウグイスの声が聞こえてきて、雨が止んだことを知る。

4/14
雨上がりの庭へ。サルスベリの新芽。雨のあとはいつも植物が育つ。人も同じだから、安心してていいよねと思う。若宮大路でつつじ、由比ヶ浜でツバメ。刻々と季節が進んでゆく。

4/15
早く目を覚ました息子が「ウグイスが鳴いてるから朝だよ」と言う。鳥のさえずりが目覚まし時計。

4/16
朝、久しぶりに1人で庭へ。簡単な太陽礼拝とラジオ体操をして、草むしり。ティーツリーの新芽が伸びてゆく。打ち合わせでクライアントに贈る、ビオラの花束を作った。ビオラは束ねるのが1番かわいい。電車で春を持ち歩く。東京からの帰り道のタクシー、フロントガラスにぽっかり浮かぶ月。「今日は月がきれいですね」運転手さんがつぶやく。

4/17
庭の白木蓮にバスタオルを干す。アシナガバチが軒先を徘徊していて、春だなあ。ハチやアブも案外怖くないと知れたのも、鎌倉暮らしならでは。執筆の合間にスギナを干す、薬草茶を作ろう。お昼時、庭にスズメとハトが散歩に来て、並んで砂浴び。夕方、ピンポーン。お隣さんから採れたてたけのこのお裾分け。やったー!

日々の粒子2

4/2
朝ごはんを食べ終えて、息子がおもむろに庭へ。写真アルバムを庭の木々に見せているんだ、と。人と自然の境界線が曖昧でいいな。昼、ムクドリ親子が庭にやってくる。なかなか距離が近く、その図々しさが好き。梅の実がなりはじめた!慣らし保育で帰ってきて、ナスの種とレモンバームを買いに行った。

4/3
ついに晴れた。目の前をふわり、アゲハチョウ。今年初めて。白木蓮に止まり、どこかへ飛んでいった。梅の実がふくらんでいて、今は赤ちゃん。冬に枯れてるように見えたティーツリーが青々としてくる。心配しなくていいよね、と思う。ちゃんと蓄えているから。

4/6
チューリップの先端にピンクと黄色がにじんでる。子どもが「さいた、さいた」と歌い始めた。ダイニングが小さな花畑。パンジー、ビオラ、ヒナゲシ。直売で夏みかん100円。北鎌倉のスミカ探求舎でヤマブキ、菜の花、ペパーミント。山桜に惚れ惚れしながら、ママチャリを漕ぐ。

4/7
ピンクのチューリップがついに咲いた。「さいた、さいた」の心境。咲くまでの待ち遠しさを歌にしたのかもしれない。昼ご飯を待つ間、モンキチョウが飛んで行った。雨が止んだら、なぜ鳥たちはさえずりはじめるんだろう。庭の左を耕して、土がふかふか。夜、山の向こうから江ノ電の音が聞こえてきた。

4/8
少しずつ蕾の先が黄色に染まってゆくチューリップ。朝ごはんができるまで、仕事の合間に、庭で土を耕す。ふかふかで、みみず発見。チューリップが朝は閉じ、昼はひらき、夜はまた閉じる。

4/9
歩いて近くの野原へ。ウグイス、シジュウカラ、リス、ヤマザクラ。平日8時半とは思えない静けさ、美しさ。チューリップは朝昼晩で素顔を変える。たんぽぽとオオイヌノフグリのテンポ、庭のしいたけがにょきにょき。直売でたけのこ!こぼれ落ちる山桜。

4/10
家の前の桜、満開。咲く花びら、拾う花びら、息子のポケットにつぶれないようにそっと入れる。ビワの実が小さく膨らんで来た。コーヒーかすを干してナメクジ対策。夏みかんの皮は陳皮に、大根の皮はそのまま土へ戻して堆肥に。夏みかんの種をの薄皮を剥いで、種まき。全てはつながっている。

日々の粒子1

3/26
玄関前のスノードロップが咲き、レンギョウも。椿は満開、梅は新緑、白木蘭はもうすぐ終わり。シジュウカラとウグイス合唱団。保育園終わり、子と月桂樹をちぎってかぐ。チューリップのちいさな蕾が出てきて、小躍り。花韮を空き瓶に飾る。

3/27
薮椿がすき。たおやかで。つつましくて。庭の木蓮が花びらを見せた、山を見上げたら山桜。早く息子をお迎えに行って、たんぽぽを一緒に眺めよう。

3/28
朝から山で鳥たちが囀りまくりで、目覚めてしまうほど。生き物にとって春は喜び。雨上がり、木蓮が姿を表し、モッコウバラが芽吹きはじめた。棘が嫌で去年抜いたのに…生命力。春は黄色と紫。菜の花とすみれ。

3/29
霧雨降り頻る中、椿を剪定して、飾る。ダイニングにはスノードロップ。ほわんほわん。春は白い花。芽吹くから、人の体も症状が出てゆく。人は自然だから、当たり前。不調は喜びなのかもと思う。

3/30
直売所で、キャベツ100円、大きなブロッコリー100円。手で持って帰るのもいつものこと。

3/31
庭から積んだスノードロップ、まだ健在。強いなあ。橙の実がなくなり、ヒヨドリはすっかり姿を表さなくなった。横着さが可愛い。

4/1
息子が道傍で積んだカラスノエンドウ、パンジーを空瓶に生けた。やわらかな小さな花たちで食卓を彩る。小雨だったからジャンパーとフードだけかぶってコンビニへ。メガネについたキラキラが玉ボケみたいで。

──────

言葉でつづる、暮らしの断片。

光と緑と家で暮らす中で、毎日…もっというと、朝昼晩でもくるくる変わる自然の喜びがあふれんばかり。でも一つひとつは、翌日には忘れてしまう小さきものもの。

季節に心ときめかせる、ぐりとぐらのような日々を残したい🔴🔵

その思いは1年経ってたしかになり「日々の粒子」と名付けました。

高山なおみさんの食卓のように、私は自然とともにある喜びがあります。人は本来、自然の一部。自然に目を向けることから始めれば、きっと心地よい方へと進んでいく。

【Work】天然生活web短期連載

天然生活WEBで短期連載が始まりました。

タイトルは「鎌倉山からのセルフケア便り」。

鎌倉山の麓に佇む「光と緑の家」に暮らしてもうすぐ1年。導かれるように移り住んだ家に、自然の美しさ、季節のうつろい、手仕事の愛しさ…数え切れない豊かさをもらっています。

連載では、暮らしの風景を交えながら、かんたんに真似できるセルフケアを紹介していきます。

【vol.1】「モヤモヤ」を「希望」に。3ステップで“毎日が変わる”ジャーナリング習慣
【vol.2】「食の不安」をすこやかな「安堵」に変える、ちいさな3つのルール
【vol.3】「朝・昼・晩」自然の恵みで、冬のすこやか習慣。心も体もぽかぽか
【vol.4】冬の不調がラクになった「ハーブティー」3選。心身を軽やかにする、おすすめブレンド。
【vol.5】春の始まりの“ゆらぎ”を、1滴ですこやかに。今日から活かせる「精油」の簡単ケア3選

【Work】セルフケアお仕事一覧

▼天然生活WEB「鎌倉山からのセルフケア便り」
https://tennenseikatsu.jp/_ct/17743905
(撮影・執筆)

▼インタビュー連載「扉をあけたら」
https://chimugusui.com/journal/
(企画・撮影・執筆)

▼cocuriで叶える、あたためセルフケア習慣
https://marna.jp/features/cocuri_warming/
(企画・撮影・執筆)

▼私サイズの人生を進むジャーナリング術
https://kncskillup2.peatix.com/view
(イベント登壇)