個性は自然と立ちあらわれる

今年の春、自分の文章に向き合いたい気持ちが沸き上がってきた。

よく「文章はどこで学びましたか?」と聞かれる。「編集者時代、小さな出版社に勤めていたので(ライターさんに頼む余裕がなく)自分でよく書いていたんです。あとベテランの編集者さんに基礎を叩き込まれました」と答える。

これは実は100%正解ではない。編集者時代の経験は土台になっているとはいえ、当時、消防士向け雑誌を作っており、トーンや内容は今書いている文章とだいぶ違う。

フリーランスになり、執筆も求められるようになり、いろんな書体を取り入れながら、自分らしい文章を模索してきた。でもちゃんと向き合う機会が意外と少なく、私の文章の個性って何だろう?と知りたくなった。

そんな時見つけたのが、青山ゆみこさんの「あなたの文章を読みます」講座。課題文を提出し、添削してもらえる。その添削が、なんか、すごい、らしい。今春、申し込んで、やりとりがスタートして執筆。1ヶ月前にフィードバックをもらい終了した(講座内容が気になる方は調べてみてね)。

フィードバックを受けて気づいたこと。それは…個性は自分の内側にすでに存在しているということ。文章に対するフィードバックを分析したところ、こんな感じ。

・場に対する安心感を作っている
・展開のリズム感がある
・抑制気味、だけど熱を帯びている
・多面的な視点がある

…写真を撮る時考えていることや生き方と同じだった。

私自身、不安になることが超苦手で、読者や撮影させてもらう人、一緒に過ごす人に対して安心してほしいと願っている。真面目一辺倒はつまらない、いい意味で想定を裏切りたい。ガツガツ自己主張は苦手。でも情熱はある。そして多面性。

個性って探すものじゃなく、自然と立ちあらわれてくるんだ。

だとしたら、無理にこうしようとか、無理にああしようとか、あんまり考えすぎず、書きたいことを、書きたいように、書けばいい。写真だって、暮らしだって、何だって。自分が自分であればいいんだ。

▼講座で書いた文章はこちらから読めます。
13年来の推しメンを、私は毎月撮り続けている

【Work】FREAK’S STORE撮影

FREAK’S STOREがはじめた、小さなトウモロコシ畑を撮影しました。

すこーんと晴れた10月、新幹線で2年ぶりの長野。千曲川、りんご畑を抜け、畑へ。出会う人、場所、空気、すべてが心地よかった。

ローカルの仕事が好き。東京をはなれ、体いっぱいに深呼吸する。力みがすっと取れて、シャッターを押すだけで、自然といい写真が撮れていく。もっと、もっと携わりたい。

記事はこちらから。

35歳、脱皮したい気分

最近、新しい仕事の打ち合わせやロケハンはあるものの、スケジュールはゆるやかで、こういう時にどう過ごすかが大事だと思っている。で、なんか、私、今、超脱皮したいのです。

妊娠、出産と思うように動けなかった2年を経て、35歳、新しくなりたい。今まで積み重ねてきたものは変わらず大事にしたいけれど、新しくなっていきたい。実際、少し行動するだけで、いとも簡単に、新しくなれることを実感している。

印象的な事柄を2つ。

久しぶりに前髪を作った。前髪があるスタイルは似合わないと決めつけていた。私が前髪を作ると野暮ったくなる気がしていた。

でも最近切ってもらっている美容師さんに「前髪作るのはどうですか?」って提案されて。ハサミでパツンと切り落としてもらった瞬間「あ、いい」って。今っぽくて、凛としていて、やわらかい。鏡を見るたび「お、いいね」ってちょっと上がる。

久しぶりに本をたくさん読んでいる。きっかけは『私の生活改善運動/安達茉莉子』に出会ったこと。「昔、血肉になったけれど、今の自分に必要かといわれるとそうではない本とさよならした」という記述があって、ふと自分の本棚を見たら、そういう本がたくさん!!!!

しかも本棚から本が溢れかえっていて、見るたびもやつきながらも、見て見ぬ振りしていたのだ。

ということで40冊ほど手放して(清澄白河のsmokebooksさんに引き取ってもらいました)、新しい本をお迎えしたところ、当たり前だけどいろんな学びがある。昨日は数年ぶりに長編小説を一気読みした。寝不足だけど、心の奥からうれしい。

こうやって書いていると、なんて些細なことばかりなんだろう。でも、小さな変化、ささやかな新しい風が、まだ見ぬ世界につながっている。

まずは、受け止める

子どもと過ごしていると、先に受け止めることの大切さを実感する。

たとえば、どうしても手が離せなくて、子どもが泣いてしまった。そんな時、手が離せなかった理由(要するに大人の都合)をこんこんと説明しても、涙は止まらない。

「本当は自分を見てほしかったのに、見てもらえなかったことが悲しかったんだね、寂しかったんだね」と声をかけて、気持ちを受け止める。すると、次第に気持ちが落ち着いてくる。その上で、手が離せなかった理由を説明する必要があれば話せばいい。

今朝、まさにそういうことがあって、子どもの気持ちを受け止めた瞬間、すっとフラットに戻った感じがあった。妊娠中、つわりがあることを受け止めたら、少し症状が軽くなったのも、多分同じ。

どうしても、自分の都合を通したくなるけれど、まずは、受け止める。そうすることで、いろんなことがうまく回るのかもしれない。

【Work】渋谷飴インタビュー&執筆

ここ数年、仕事する上で職業とかジャンルとか、有名だとかそうじゃないとか、そういうことが全く気にならなくなりました。

今をときめくアイドルだとしても、人間として話ができないといい写真は撮れないし、逆にその辺にいるおっちゃんに豊かな人生教訓があったりもする。

どんな人でもスタンスは同じ。人間として向き合って、生きる姿を届けたい。

渋谷飴はそんな想いとぴったりなお仕事でした。

どこを切っても、ちがう顔。渋谷飴は、渋谷区と深い関わりを持つ様々な人の顔が現れるキャンディー。

ここではりゅうちぇるさんも大学生もギャルもレコード屋店員も同じ一人の人として紹介されています。みなさんの想いや生き方に耳を傾け、リーフレットの執筆をしました。こんな仕事を丁寧にこれからもやっていきたい。

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クリエイティブディレクター:青沼克哉(SIGNING)
アートディレクター:加藤咲
コピーライター:川上茉衣(博報堂)
プロデューサー:高橋比香理(SIGNING)
プロデューサー:郭晴芳(CINRA)
イベントプロデューサー:酒巻俊哉(SIGNING)
ライター:七緒(写真と文)
飴制作:まいあめ