ピーターラビットを生み出したい。

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部屋を片付けていたら、夫の荷物から『ピーターラビットとなかまたち』全集が出てきました。これは9年前に仙台のブックカフェ「火星の庭」で買ったもの。あまり深く考えず「かわいいし、なんとなく」というテンションで買って、一度も読むこと無く押入れの奥底にしまわれていました。

それが久々に出てきて、時間もあるので読んだらなんとも面白いんです!!!!!やわらかい絵柄がかわいいのはもちろん、子ども向けにしては少々辛口な語り口(平気で子うさぎが袋詰めされたりする…)にハラハラさせられ、でも最後はそこそこ円満、みたいなストーリー。甘辛のバランスが絶妙で30代の私たちにはドカーンとハマり、おうち時間のいいお供になっています。

初版は1970年代で今は2020年。50年経ってなお大人も子どもも楽しめる、そんな本があるのか…と驚いています。仕事をしているとつい目の前の流行や対価を追うことに精一杯になることがあります。速くものを生み出すのがカッコいいみたいな風潮もあります。でも私が作りたいものってピーターラビット的存在だよなあ、と。

時が経ってもずっと愛されるものをこの人生で一つでも二つでも作れる方が大事。そして一部の人にしか理解されないものより、どちらかというとみんなに楽しんでいただけるものを作りたいのかな、と思いました。

朝、起きてきた夫が「変わらない毎日が一番幸せだなあ」ってつぶやいていました。気軽に外に出られない今、もどかしさもあるけれど、普段よりスローな時間を過ごせている結果、新しい発見もあって楽しめています。

※余談ですが付属CDの声優陣がとても豪華で、森本レオ、小林聡美、大竹しのぶ…and more!福音館書店の本気を感じます。