兵庫県・丹波市にある薪窯で焼くパン屋『薪火野』の文章を書きました。薪火野の中山大輔さんに「僕の想いを全く知らない人に届けるためインタビューして文章を書いてください」という依頼を受け、zoomでインタビューを行い、中山さんの今までの人生、想いを3500文字にまとめました。
お話をいただいたのは4月の頭、きっかけはnice things.の休刊。昨年6月にオープンした薪火野は当時、休業中。再出発にあたって、パン作りを目指したきっかけ、薪窯でパンを焼く理由、これから目指す所を取材してほしいという依頼でした。正直すごく面白いしユニークな依頼だと思いました。
一般的にインタビューというのは出版社やWEBメディアから依頼を受けて行うもので、取材対象者本人から「インタビューしてほしい」と言われたことは初めてです。でも自分の思いを他人に引き出してもらい言語化してもらえれば、顧客により魅力が届きやすくなる。そのあたりを中山さんは感覚的に理解されていたのだと思います。
通常、私はインタビューだけのお仕事は受けていません。それはフォトグラファーがメインの仕事だという想いもあるし、写真と文章をどちらも担当することで届けられる魅力があると信じているから。
でも時は新型コロナウイルス感染拡大時期。兵庫まで私が行って撮影することは全く現実的ではなかったし、ご友人が撮られた写真が本当に素敵だったし、何よりパンがものすごく美味しかったので、インタビューだけ担当し、文章で薪火野の物語を紡ぐことにしました。
冒頭にはこんな文章を書きました。
1年は365日。毎日を朗らかに生きたいと願うけれど
そうもいかないのが現実ってやつだ。
でも食卓にとびきりのパンがあったらどうだろう。
日常の解像度をそっと上げてくれる
誰かと喜びを分かちあえるパンがあったら。
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22歳の青年は世界を変えたいと願った。
一筋の灯を信じ、歩み続けてパン屋になった。
手で捏ねる、薪窯で焼く、そして届ける。
その一つひとつが愛しい人にふれるようにやさしい。
ああ、薪火野のパンが食べたくなってきた。
薪火野とはどんなパン屋なのか。
どんな想いで中山さんがパンを作っているのか。
今の私にとって何が刺さったのか。
それは文章を読んでもらえれば伝わると思います。久しぶりにこんなに魂込めて書いたな〜という文章で、書き手として真っ向からぶつかっていけて本当に幸せな仕事でした。nice things.が休刊しても、人の想いをまっすぐ届ける仕事は続けられるんだなとうれしかったです。
と同時に、職人さんや作家さんの想いを届けるために、写真や文章でできることがあれば、これからも力になりたいと強く思いました。「自分の店の魅力をもっと届けたい」「想いをわかりやすく伝えたい」「でも誰に相談すればいいか分からない」そんな方は気軽にご相談いただければ幸いです。
最後に最後に。薪火野のパンは本当にとてもおいしいです!定期便という形で販売していくようなので、ぜひ皆さんチェックしてみてくださいね。私は”糧ハーフ”を注文しました。届くのが楽しみ!
→薪火野
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