心も機材も軽やかになっていく

数年前、フォトグラファーと名乗り始めた頃、ひたすら不安だった。この機材を持っていたらどう思われるか、ごつそうな機材を持っていかないと、一人前として見てもらえないんじゃないか。

そんな不安を体いっぱいに張り巡らせながら、毎回重い機材をもって撮影に向かっていた。

最近、日常使いのカメラをフィルムからデジタルに変えた。

子どもが生まれ、荷物が多くなり、フィルムカメラの重さが負担になっていた。だんだんカメラを持ち歩かなくなり、そんな時に限ってシャッターチャンスは不意に訪れるもんだから、落ち込んでいた。

1月。とあるデジカメが気になってレンタルしてみたら、それがもう、とっても良かった。軽くて持ち運びやすく色も追求すれば多分大丈夫。すぐに買って、毎日ポケットに忍ばせている。

「フィルムじゃなきゃ」みたいなこだわりはどこかにあって、今もなくなったわけじゃないけれど、気負わずシャッターを押せるし、jpeg撮って出しで納得できるトーンだから、撮ってすぐ公開できる。軽やか。

あたらしい相棒と、これからどんな世界を描けるんだろう。世界、とか言いながら日常のとりとめないことにカメラを向けていくんだけど。

何より、デジタルで撮る写真も私の写真だ。