1日3回、香りを着替えて

おしゃれに興味が出てきた頃から、香水をふわっと立ち上らせる女性に憧れていた。すれ違いざまにふと気づくあの、感じ。

結婚、出産と次第に香りに心を配る場面も少なくなり、すっかり縁遠い生活を送っていた私が、ここ1年、香りの使い分けにハマっている。面倒くさがりなので手間なく、何より自然由来のもので心地よく。


まずはバームを手作りすることから始めた。「え、手作り?」ってシャッターを下ろさないでほしい(笑)バームって、めっちゃ簡単に手作りできるんです。ミツロウ・シアバター・植物油・精油を湯煎で溶かして完成(こちらを参考に)。慣れれば10分。気分や症状に合わせて、精油をブレンド。

就寝前、首肩をマッサージすると、一日の疲れがすうっと抜けていく。風呂上がりのマッサージとかまるで続かない私が、もう1年以上続けられているのは、シンプルに気持ちよいからだろう。


次は朝、パロサントを焚くようになった。聖木とも呼ばれるそれは、その場を浄化する効果があると言われている。ライターでじゅっと火をつけて、部屋をふわっと一周。スモーキーなのにどこか甘い香り。

朝の部屋は、目を塞ぎたくなる。散らばった積み木、絵本、謎の米粒。一つひとつ拾いあげて、掃除機をかけた後に焚く。正直、浄化とかはよくわからないけど、心が仕事モードに切り替わっていくのは確か。

最後は、ハーブオイルのブレンド。オーガニックに親しい方は超ご存知なナリンのハーブオイル。例にもれず私も33+7を使っていたけれど、たまたま店頭でセンシュアルとカーミングを手首でブレンドしてみた。ほんと、たまたま。

それがうっとりするほどいい香りで。甘いのにキャンディみたいな甘さじゃない。奥深い誇り高き甘さ。なぜか半日くらい香りが持続するので、朝昼とつけて、ふと立ち上る香りを楽しんでいる。


こうやって書くと、昔は他者を意識してつけていた香りが、自分のために変化していったんだと気づく。

35歳。正直、体も肌も曲がり角だ。だからこそ、今の私で楽しめる美しさを、模索するのがとっても楽しい。