真鶴と真鶴出版のお二人と気付き。

週末、神奈川県・真鶴へ旅してきました。ライターの梶山ひろみさんにおすすめしてもらって予約したのが8〜9月。特にノープランで行きましたが、真鶴という場所、そして宿泊した真鶴出版(宿泊もできるし出版社でもある面白いご夫婦)の二人がとても素敵で、大好きな町になりました。

今の私の働き方は一人で考え、判断して、動くことが多く、どうしても価値観や考え方が凝り固まっていしまいます。そんな時、旅をして、新しい町を知る。誰かの働き方を知る。意見を交わし、次へつながっていく…。それは普段の自分をやさしくぶっ壊していく感じがして、とても心地よいのです。

今朝、真鶴出版のお二人と朝ごはんを食べながら、仕事のこと、雑誌のこと、色々と話しました。その時、真鶴出版の川口さんに「写真というより雑誌が好きなんですね。雑誌作っちゃえば良いのでは?」と言われ。いずれ編集という仕事に戻りたいなという思い、今は現場でフォトグラファー/ライターとして働かねば(となぜか思っている)思い、でもなかなか雑誌にフォトグラファー/ライターとして携われない悔しさ、いわゆる普通のフォトグラファーの道のりを歩んでこなかったコンプレックス…。色んな想いがその一言で、パッと昇華されて何だか爽快でした。「そうかーそういう方法もあるのかー!」ってね。

「○○という会社と仕事をしている」というステータス。それも健全な承認欲求だとは思うし、今はどちらかと言うとそこを目指して日々頑張っている気がします。でも自分で雑誌を作って、それが支持してもらえるのもうれしいですよね。そんなこと「選ばれた人ができること」みたいな気持ちがあって、他人事に感じていたけれど、真鶴という場所、真鶴で出会った人のおかげか、ぐっと現実味を帯びてきてわくわくしています。

もう一つ。

写真をデジタルカメラで撮る頻度を減らすことを考えています。なんだか回りくどい言い方だし、初めてフィルムカメラを持った2年弱前からずっと考えていたことで、ようやく方向性が見えてきただけなのですが。撮る時の想いの強さがまるで違うんです。でもフィルムカメラで女性を撮っている写真家さんは既にいるし、今のフィルムブームに乗っかったと思われるのも嫌で。そこに入り込むのもなぁと二の足を踏んでいたのですが、自分の撮る時の気持ちに正直になろうと思いました。フィルムとデジタル、どちらが良いのか。そんな議論をしたいわけではなく、フィルムにはフィルムの、デジタルにはデジタルの良さがあって、時と場合によって使い分けをすれば良いと思っているのですが、私はフィルムに舵を切ろうかと。舵を切ることを決めたら、何だか心がすっとしました。

あともう一つ。

フリーランスになって「忙しそうですね」って何回言われたことか…。忙しぶっているわけではなく、本当にありがたいことですが、色々とお仕事をいただいたり、自分で仕事を作ったりしています(エディターズトークなどは「仕事を作った」部類に入ります)。忙しくないと不安になります。手元にお金がないと不安になります。だから動きます。自分に合わないお仕事のご相談をいただく時もあってそれはスパッとお断りしたりしています。でも最近は忙しすぎたかもと反省をしているのです。ただ漠然と忙しい日が続き、目の前のことに心を込められていたのか?自問自答したりして。自分のキャパを広げるために色々な仕事をする時期も必要だと思っていて、2017年はその時期にしていたのですが、来年以降はもっと一つひとつの仕事の価値を大きくしたい。自分の価値(人間的なもの、そして仕事のスキルや能力)を大きくしたい。

何かを決めるということは、何かを捨てるということでもあります。
捨てるのは怖いし、周囲から何やかんや心配されることでもあります。
でも、自分の直感を大切に。

その直感というやつは日々のことに追われているとなかなか発揮できなかったり、する。
だからたまにいる場所や会う人を変える。すると本当の自分があぶり出される気分になる。

今回、このタイミングで真鶴に足を運べて本当に良かった。