家族と一緒にいたいから引越しました。

春ははじまりの季節。代々木公園のアトリエを閉め、自宅を引っ越し、自宅兼アトリエとしてスタートしました。この結論に至るまで何度も考え、悩んで、逡巡して、でも最後は結局直感だったな。

昨春、アトリエを代々木公園に構えて仕事の拠点を移しました。もともと1〜2年限定でと考えており、どんな仕事やライフスタイルが自分に合っているのか模索する1年でした。

代々木公園の生活はものすごく楽しかったです。人も町も風通しが良く、洗練された空気感、徒歩15分圏内においしいパン屋も自然食品屋さんもカフェもたくさんあって、行きつけのお店もできたし、仲良くなれた人もいます。家賃という固定費が発生することは挑戦でもあったけれど、それ以上に仕事の幅がぐんと広がったため、気持ち的にも金銭的にもこれからもアトリエを持ち続けることはできました。

じゃあなぜこういう結論に至ったのか。さまざまな理由が混じり合っているのですが、一番は家族との生活を土台に置きたいという気持ちが強くなったことです。

大きなきっかけとなったのはペットの死です。今年1月、20年以上飼っていた亀が突然亡くなり「もっと一緒にいてできることがあったんじゃないか…」と後悔が募りました。代々木で仕事をしている時間は必然的にペットと離れることになり、寂しい思いをさせてしまう。我が家にはうさぎがいるので、この子にもうそんな思いをさせたくない…。これが一番のきっかけです。

また、1年前と比べて家族に対する気持ちも変化していきました。それは大きな変化ではなくグラデーションのように小さなものが積み重なっていった結果、マイナスがプラスに転じたような感じ。

今までは仕事が大優先で夫との関係性や生活は正直二の次(ごめんなさい)。同世代で家を買ったり、子どもを産む人はたくさんいたけれど、どこか他人事でした。でもいろんなことがあって、ようやく二人で生きていこうと思えて。そうするともっと家族を大事にしながらどこまで意欲的に仕事に励めるか、挑戦していきたいと思うようになりました。結婚6年目でようやくといった感じです(笑)

日々の生活から表現が生まれ、表現と生活がゆるやかに混じり合っていく。そんな暮らしを目指しています。これは雑誌『nice things.』で取材した方の影響を色濃く受けています。自宅とアトリエが同じ場にあって、相互にいい影響を与えあっている…そんな方々の仕事ぶりを目にして、生活と仕事が混じり合う場を持つことを受け入れられるようになりました。

場所は清澄白河です。正直、今回は清澄白河には全くこだわっていなくて、代々木公園でも探していたけれど、なんともブラボー!な物件がすぐ見つかったのでその場で決めました。レンガ造りで落ち着いた外観、アトリエと住居スペースをふわりと区切れる理想の間取り、広いバルコニー、公園と美術館とカフェがすぐそばにある最高の場所です。

独立して1年ごとに自分の環境がぐんぐん変わっていきます。違和感を覚えるとその都度向き合って、自分の心に正直になって、行動している。それが良いことなのかそうでないのか分からないのですが、素直に生きる自分は好きです。

家族と一緒にいたいと思い引っ越したら夫も完全リモートワークになったので、ずっと一緒にいます。夫と私とうさぎと。図らずも…だけどうれしい。

打ち合わせやワークショップもできそう。近くに大きな公園があるのでここを拠点にした撮影もウェルカムです。色んなことが落ち着いたら皆さん、ぜひ遊びにいらしてください〜!自分の生活も表現として、これからもステップアップしていきたいです。